なんばパークスガーデンで、都会のオアシスを歩く

都会の喧騒を楽しむのも悪くない。でも、その賑わいの中で、ふと静かな時間を過ごしたくなる瞬間がある。そんなとき、思い浮かぶのはカフェや公園。けれど、もっと気軽に、もっと自由に過ごせる場所があったらいいと思わないだろうか。

なんばパークスガーデン。ここは、まさにそんな願いを叶えてくれる都会のオアシスだ。

大阪・難波の真ん中にあるショッピングモール「なんばパークス」の屋上に広がる庭園。CNNの「世界で最も美しい空中庭園トップ10」にも選ばれたこの場所は、単なる屋上緑化を超えたスケールを持っている。むしろ「都市の中に突如として現れた小さな森」といった方がしっくりくるかもしれない。

なんばパークスガーデンを歩く

まずはエレベーターで8階へ。ここから9階へ階段で上がり、あとはゆっくりと庭園を巡りながら下りていくのがオススメのルートだ。目の前に広がるのは、都会の真ん中とは思えないほどの緑。高層ビル群を背にしながら、木々に囲まれた小径を歩くと、不思議な感覚に包まれる。

パークスガーデンの特徴は、単なる庭園ではなく、まるで「森の中を散策している」ような設計になっていること。広い芝生や花壇だけでなく、木々が生い茂るエリアや、ちょっと奥まった場所にひっそりと設置されたベンチなどが点在している。

歩くたびに、気になる小径が見つかるのも面白い。メインの通路を歩いていると、ふと脇道に視線が吸い寄せられる。「この先には何があるんだろう」と、つい足を踏み入れたくなるような場所がいくつもある。そこに進んでみると、ちょっとした広場があったり、風に吹かれながらくつろげるデッキがあったり。まるで、自分だけの秘密の場所を見つけたような気分になる。

人工芝の丘でごろり

庭園の中央には、人工芝で覆われた小さな丘がある。寝転がるのにちょうどいい形状になっていて、ここでのんびりするのが最高に気持ちいい。都会の真ん中で寝そべるなんて、普段はなかなかできないことだけど、この場所なら自然とそんな気分になる。

昼間は太陽の光を浴びながら、ぼんやりと雲を眺める。夜になると、ライトアップされた空間の中で、遠くのビルの明かりがキラキラと光る。近くのビアガーデンから聞こえてくる音楽が、ちょうどいいBGMになって、ここが都会のど真ん中であることを思い出させてくれる。

せせらぎとジャングルの小径

さらに階段を降りると、せせらぎが現れる。都会の中で水の流れる音を聞くのは、それだけで心が落ち着くものだ。水辺のそばには、南国のジャングルを思わせるような小径が伸びている。緑が生い茂るその奥には、ぽつりぽつりと椅子が置かれていて、まるで隠れ家のよう。

足を止めて椅子に座ると、周囲の雑音が少し遠のく。とはいえ、完全な静寂ではなく、街の喧騒がほどよい距離感で聞こえてくる。都会の真ん中にいながら、ほんの少しだけその喧騒から距離を置ける、この感覚がたまらない。

なんばパークスの建築美

なんばパークスを語るうえで欠かせないのが、その建築デザインだ。設計を手がけたのは、アメリカ人建築家のジョン・ジャーディ。彼は「建築とは、ただの箱ではなく、人々の体験を作るもの」という考えのもと、独特のデザインを生み出した。

なんばパークスの特徴的な曲線の外観は、地球上の大峡谷をイメージして造られているという。そのため、建物の間を歩いていると、まるで自然の渓谷を進んでいるような感覚になる。ショッピングモールでありながら、どこかアウトドアのような気分が味わえるのも、この場所ならではの魅力だ。

どんな過ごし方が似合う?

なんばパークスガーデンは、一人でのんびり過ごすのにも、友人と語らうのにもぴったりな場所だ。

ひとりなら、ベンチやデッキを見つけて、コーヒー片手に読書するのもいい。都会のど真ん中でありながら、落ち着いて本を読める場所は貴重だ。

友人となら、テイクアウトしたドリンクを片手に、人工芝の丘に座ってのんびり話すのもいい。カフェに入るほどでもないけど、ちょっとゆっくり話したい、そんなときにちょうどいい空間がここにはある。

デートなら、夜の時間帯がオススメだ。ライトアップされた庭園の雰囲気はロマンチックで、難波の喧騒とは一線を画す静けさがある。

都会の真ん中で自然を感じる

都会のど真ん中にありながら、ここは確かに「自然」を感じられる場所だ。高層ビルを背景にしながらも、足元には緑が広がり、風が吹き抜ける。

普段、無意識のうちにコンクリートジャングルの中で過ごしていると、「ああ、やっぱり緑っていいな」と思う瞬間がある。そんなとき、なんばパークスガーデンのような場所があるのは、とてもありがたい。

買い物のついでに立ち寄るのもいいし、仕事帰りにふらっと訪れるのもいい。予定がなくても、「ちょっと行ってみようかな」と思える気軽さがあるのも、この場所の魅力のひとつだ。

都会にいるからこそ、その中で自然を感じる時間が貴重になる。なんばパークスガーデンは、そんな贅沢な時間をくれる場所だ。

屋上は階段状になっていて、一度エレベーターで8階まで上がり、9階を一周して、7階の方に戻っていくというルートがおすすめ。

入場料:無料 営業時間:10:00-24:00 アクセス:南海なんば駅からすぐ