高松で有名な名所のひとつである栗林公園。やはり散歩をするにはとても贅沢でベストな場所だ。栗林公園の特徴をあげるなら、とにかくその規模の大きさと完璧さであると思う。栗林公園ほど桁違いに大きいにもかかわらず、これだけつくり上げられている庭園はなかなかないのではないか。
散歩をする場所を選ぶときに、日本庭園という選択肢は、必然的に上位にやってくる。日本庭園は洗練された散歩コースだ。庭園という一つの美しい世界でありながら、それぞれに程よい個性がある。それから、日本庭園は、自然と程よく調和しているというところもいいところだ。刺激的すぎず、全く凡庸ではない。それが心地よさをもたらしているのではないか。特に周りの景色と調和させているというところが、ユニークなところだ。例えば、テーマパークなどは、周りの景色が入り込まないようにして、そこに全く違う世界を建設する。日本庭園は、周りの景色を利用して、庭園がよりそのポテンシャルを引き出すことに力が注がれている、という気がする。それこそが、各地の庭園に行ってみたくなる理由にもなり得るし、刺激的すぎず、凡庸ではない所以ではないか、と思うのだ。
栗林公園があった場所は、もともと香東川という川が流れていたらしい。香東川は2つに分かれていたようで、そのうちの東側の川が栗林公園のあたりを流れていたそうだ。川は堆積物が溜まり、よく氾濫するので、東側の川を堰き止め、西側の流れに一本にした。もともと東側の川があった場所が現在の栗林公園になっているのだそうだ。言われると、その名残があるような気もして。このあたりは、昔は川だったのかな?と想像しながら歩くのも楽しい。