小さな街の立派なお城

大阪といえば大阪城。だけど、大阪城はいつも混雑して、のんびり過ごすということが難しい。お城が好きだけど、混雑は嫌。そんな人におすすめなのが岸和田城だ。岸和田城は岸和田の町の真ん中にあって、それでいて驚くほど静かだ。アクセスも容易で、南海電車の蛸地蔵駅を降り、歩くこと5分。住宅街の先に、岸和田城がある。住宅街に忽然と姿を現すお城はとても不思議な感じがする。

城の周囲をぐるりと囲む堀。そこに沿って整備された遊歩道にはベンチが点在し、のんびり腰を下ろすにはもってこいの場所だ。天守閣を見上げながらのんびり過ごすことができる。すぐ近くには学校があり、どこからか生徒たちの元気な声が聞こえてくる。のんびりと日常の風景に溶け込むお城を眺める。観光地として賑わう有名な城もいいけれど、こうして地元の日常に溶け込んでいる城の方が、なんだか愛おしく思える。


天守から街を見下ろせば

城の周りをぐるりと歩いて、天守閣へ向かう。その手前にあるのが、国の名勝にも指定されている「八陣の庭」だ。

作庭を手がけたのは、重森三玲。石と砂が織りなす造形美に、しばし足を止めて見入ってしまう。岸和田城にはのんびりとしたくなるスポットがたくさんある。「八陣の庭」を抜けると、いよいよ天守だ。

天守閣の中の階段を上るごとに、期待が高まる。

城の内部は、他の城と同じく展示室になっている。江戸時代の岸和田の歴史を辿る資料が並ぶ。戦国時代からの物語を知ると、街の見え方も少し違ってくる気がする。

そして、最上階。目の前に広がるのは、まさに絶景。眼下に広がる岸和田の街並み、その先には大阪湾、さらに遠く関西空港まで望める。ここまで登ってきて、他の訪問者の姿はなし。完全なる独占状態だ。風が吹き抜ける静寂の中、ひとり絶景を堪能する贅沢。

お城は、まさしくその街のシンボルである。その街のシンボルに行くということは、とても貴重な体験である。しかも、今回は、他に訪問者がいなくて、この景色を独り占め。たまたまだったかもしれないけれど、城主にでもなった気分で、のんびりと過ごすことができた。

とてもおすすめの、のんびりスポットです。


のんびり指数
5.0

Rating

アクセス:南海蛸地蔵駅から徒歩5分
入場料:大人300円
会場日、入場時間:要確認

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